Debian 6.0(squeeze)のインストール先にWesternDegital WD20EARSを使った。これを2台使って、ソフトウェアRAIDとLVMを構成する。ただし、このディスクには3つ問題がある。

  • IntelliPark
    消費電力削減のため、8秒間アクセスがないとヘッドを退避してしまう。ヘッド退避が頻発するとパフォーマンスが落ちる上、ディスクの寿命が縮む。
  • AdvancedFormatTechnology(AFT)
    論理セクタと物理セクタのずれによって書き込み速度が低下する。
  • 容量2TB
    2TBを超えるHDDにインストールするとGUIDパーティションテーブル(GPT)が使われる。 ブートローダー用にパーティションを作る必要がある(参考)。

まず、IntelliParkの8秒はやりすぎなので5分程度に設定する。設定にはwdidle3.exeを使う(WDのサポート外なので注意)。

  1. FreeDOSが必要なのでUNetbootinをダウンロードする。
  2. UNetbootinを起動し、FreeDOSをUSBメモリにインストールする。
  3. WDのサイトからwdidlw3.exeをダウンロード。
  4. FreeDOSが入ったUSBメモリにwdidle3.exeを入れる。
  5. 設定するHDDとFreeDOSの入ったUSBメモリだけを接続し、USBメモリから起動する。
    (全てのディスクに同じ設定がされる)
  6. FreeDOSが起動したら次のようにコマンドを打ち、ヘッドの退避を300秒(5分)に設定する。
    A:\>C:
    C:\>wdidle3.exe /s300
  7. 設定が完了したのを 確認して、電源を切る。

次にAFT対策、論理セクタと物理セクタがずれないようにする。MBRパーティションにsqueezeをインストールする場合は最初のパーティションは2048セクタで開始するので対策は不要。2TBのディスクを使うとGPTになり、なぜかずれる。そのため、先にGPartedでパーティションを切っておく。起動用の小さなパーティションと他のパーティションを未フォーマットで切っていく。

起動用パーティションを作る。AlignをMiBにして先頭に最小単位1MiBの未フォーマットパーティションを作り、右クリックメニューの情報で開始セクタが2048セクタになっているのを確認する。ここにGrubがインストールされる。

Screenshot-新規パーティションの作成

Screenshot-新規パーティション #1の情報

同様に他のパーティションも切っていく。RAIDを組むので2台に同じように切る。

Screenshot--dev-sdb - GParted

3つの問題の問題が解決した所でインストールを始める。パーティションは1MB,256MB,残りの3つに切った。HDD以外にドライブを積んでいないのでUSBメモリからインストールする。ここでもUNetbootinを使う。DebianとStable_NetInstall_x64を選択してUSBメモリに書き込む。書き込んだUSBメモリからブートする。インストーラが起動したら、USBメモリを抜きインストール開始(USBメモリがsdaになるのを防ぐ)。

インストールを進めて、ディスクのパーティショニングで手動を選択。あらかじめ切っておいたパーティションを次のようにする。予約済みBIOSブート領域(biosgrub)を作らないとGRUBのインストールに失敗する。(作らなくても警告が出ず、何度やっても失敗するのではまった。ガイドでパーティショニングすると勝手に作られる)

物理パーティションの構成

/dev/sda1(/dev/sdb1) 1MB 予約済みBIOSブート領域(biosgrub)
/dev/sda2(/dev/sdb2) 256MB RAIDの物理ボリューム(/dev/md0)
/dev/sda3(/dev/sdb3) 2TB RAIDの物理ボリューム(/dev/md1)

次にソフトRAIDを設定する。ソフトウェアRAIDの設定から/dev/sda2と/dev/sdb2、/dev/sda3と/dev/sdb3をそれぞれチェックしてRAID1アレイを作成する。小さい方のアレイにext4を指定して、マウントポイントを/bootに指定。大きい方をLVMの物理ボリュームに指定してボリュームグループを作成する。次に、ボリュームグループから必要なだけ論理ボリュームを作成して、完了を選ぶ。切り出した論理ボリュームにそれぞれ利用方法とマウントポイントを指定する。次のような構成にした。後で足りなくなった容量を拡張できるようにボリュームグループを使い切らずに残してある。

パーティションの構成(RAID)

/dev/sda1 1MB biosgrub
/dev/md0 256MB ext4
/dev/md1 2TB LVMの物理ボリューム

パーティションの構成(LVM)と利用方法

パーティション 容量 利用方法 マウントポイント
/dev/sda1 1MB biosgrub
/dev/md0 256MB ext4 /boot
論理ボリューム 20GB ext4 /
論理ボリューム 200GB ext4 /home
論理ボリューム 20GB ext4 /usr
論理ボリューム 1.5TB ext4 /usr/local
論理ボリューム 20GB ext4 /var
論理ボリューム 5GB ext4 /tmp
論理ボリューム 4GB スワップ領域

設定し終えたら変更を書き込む。あとは通常通りインストールを進める。ソフトウェアの選択にSSHサーバーが追加されていた。インストール直後からSSHで操作ができて便利。

インストール後は、2つ目のディスクにも起動情報を書き込む。パーティションとして見えるのでbiosgrubパーティションを1つ目のディスクから2つ目のディスクへコピーするだけで済む。

$ sudo dd if=/dev/sda1 of=/dev/sdb1 bs=512
2048+0 records in
2048+0 records out
1048576 bytes (1.0 MB) copied, 0.0783861 s, 13.4 MB/s
$

参考

メモ帳: Ubuntu9.10 で NAS on RAID1(3/6)

[amazon_tags]


2月 16th, 2011

Posted In: ソフトウェア, ハードウェア

タグ: , , , , , ,

4 Comments

Debian 6.0(squeeze)がリリースされたのでクリーンインストールした。アップグレードしたのはローカルで使ってるサーバー(KVMのホスト)と公開用に使ってるサーバー(KVMのゲスト)の2台。覚えているうちに作業記録を残す。

ローカルサーバーは新しいHDDに移行するついでにアップグレード。GPTへのインストールや録画鯖の再構築で手間取った。録画鯖はやった記憶がほとんどなくて困った。

公開サーバーはしばらくそのまましておくつもりが、squeezeから一部パッケージを借りていたため自動アップグレードされてしまった。ダウングレードすると壊れて、完全にアップグレードするとPHPが動かなくなったので、クリーンインストールした(KVMで動いているため、ディスクイメージを戻すだけで元通り)。PHPは設定を変えないと動かなかった。

[amazon_tags]


2月 16th, 2011

Posted In: 雑記

タグ: , , , , , ,

Leave a Comment

今使ってるメイン機。9月のはじめに組んだもの。
 MyPC1

[CPU]Intel Pentium Dual-Core E2180 2.0GHz
[M/B]P5K PRO (中古)
[メモリ]バルク S&Mとかいう悪評チップ 2GB*2
[VGA] RH3650-E512HW
[HDD]ST3500320AS 500GB
[FDD]FA404MX
[DVDドライブ]GH20NS10
[ケース]CM690 (展示品)
[電源]KRPW-K500W
[キャプチャ]GV-MVP/RX(中古)

  MyPC2 MyPC3

いろいろ情報を集めた上で、ほとんど価格.comの上位で選んだ。オークションと九十九で揃えた。

CPU:
そんなに性能が必要ないと思って安物にした。コストパフォーマンスはいい。低発熱でOCしても安定。廉価版でもPentiumブランドはさすが。FSBやら固定して、電圧上げたら3GHzまでOCできた。後々VTが無効化されてるのに不自由した。リテールファンでもそんなにうるさくなくて十分冷えた。

マザーボード:
P5K-Eが一番売れてた。それで、ASUSの同系統のP5K PRO。なんとなくこっちにしてみたくなった。でも、糞配線。ケースの中央に大蛇ができてる。

メモリ:
なんとなくオークションで入札したら落ちた。落ちてほしくなかった。調べたら2chにスレが立つほどの糞チップ。エラーとかもなく安定してる。

VGA:
PCゲームはやらないので、動画支援付のRADEON。使いまわしできる部品だから、それなりのものをと。デュアルディスプレイを視野に端子が2基のものを選んだ。統一感と将来性を考えて両方DVI。SAPPHIRE製が良さそうだったので買おうと思ったら売り切れ。ちょうど、玄人志向のVGAのセールがやってた。そこからSAPPHIREのと中身が同じものを。

HDD:
最初からSeagateにしようと思ってた。当時コストパフォーマンスが一番よかった500GB。他がキャッシュ16MBに対して32MBだったので購入。九十九の保証もつけた。1ヶ月で認識しなくなった。初期不良の期間が過ぎてたけど初期不良交換。数日前にその原因がわかった。思いっきりその被害者。
(GALACTIC FUNK | seagateがやばい
修理から帰ってきたのも同じ型。ファームはSD15、これは危ない。

FDD:
カードリーダ内臓。OSバンドルでない。ないと落ち着かない、それだけ。FDDは使わなくてもカードリーダがついてる。

DVDドライブ:
LG電子が良さそうな気がした。その中で売れ筋のもの。

ケース:
当時、価格.comで1位。下置き電源で探した。AntecのSOLOとかP180はちょっと高くて手が出なかった。どちらかと言うと静音より冷却。似た感じのNineHundredは見た目が気に入らなくて、それ以下のThreeHundredは選べない。青いファンを1つ増設。サイドファンがうるさいので底面吸気ファンにした。

電源:
値段の割りにいい電源ということで。電源なら玄人志向でも問題ないはず。サービスコンセントがないのが普通なのは知らなかった。連動OAタップも購入。

キャプチャ:
ゲームのキャプチャ用に低予算で。番組録画で頻繁に使うようになった。唯一64bit非対応のパーツ。32bitOSから離れられない原因になってしまった。

2つ玄人でメモリはバルクで危ない。CPUの予算が異常に低かった。CPUよりメモリ派。ケースファンには換気扇フィルタ。大学で仕入れた中古の15型ディスプレイ×2、サーバに使ってる中古PCについてたキーボード。壊れたマウスの代わりに買ったマウス。黒いのは本体だけ。

九十九がつぶれかけたと思ったら今度はSeagate。

[amazon_tags]


1月 21st, 2009

Posted In: ハードウェア

タグ: , ,

Leave a Comment